狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
その17
「…っ……!!」
一瞬…
光に包まれた大剣を手にした彼が、薄笑いを浮かべている映像が流れた。
そして無残にも断ち切られた戒めの術―――。
天才と謳われた若き魔導師・アレスの手から魔導書が無造作に離れていく。
支えを失ったそれが彼の足元で撃ち落とされた小鳥のようにページを広げたままバサリと落ちた。
(な、なんだ今の…デジャヴ…なの…か?)
落としてしまった魔導書を拾おうとするアレスだが、震えた手がなかなかいうことをきかない。
「…おや?その反応…なにか思い出せましたか?」
尚も楽しそうに笑っている彼だったが…
「とはいえ…貴方に付き合うのもいい加減飽きました。時間切れです」
スッと冷たく細められた瞳に射抜かれたアレスは動けない。
彼の言動から推測するに、互いに顔を合わせているに違いない。ということは…
(…キュリオ様に…お知らせしなくては…っ…)
(…やはり記憶違いなどではなかったっ!!こいつこそ…もっとも危険な"あの男"だったんだっ!!)
「…キュリオ様っ!!」
「…キュリオ…
その忌々しい名をまた聞くことになるとは…ですが、こうして与えられた好機に感謝しなくてはいけませんね」
右手を振り上げた男に対し、
迫りくる巨大な力にぎゅっと瞳を閉じたアレスだったが…次に届いた声はまったくの別人のものだった―――。
―――バターン!!
勢いよく屋上の扉が開いたと思ったら…
「お母さまーっ!!」
一瞬…
光に包まれた大剣を手にした彼が、薄笑いを浮かべている映像が流れた。
そして無残にも断ち切られた戒めの術―――。
天才と謳われた若き魔導師・アレスの手から魔導書が無造作に離れていく。
支えを失ったそれが彼の足元で撃ち落とされた小鳥のようにページを広げたままバサリと落ちた。
(な、なんだ今の…デジャヴ…なの…か?)
落としてしまった魔導書を拾おうとするアレスだが、震えた手がなかなかいうことをきかない。
「…おや?その反応…なにか思い出せましたか?」
尚も楽しそうに笑っている彼だったが…
「とはいえ…貴方に付き合うのもいい加減飽きました。時間切れです」
スッと冷たく細められた瞳に射抜かれたアレスは動けない。
彼の言動から推測するに、互いに顔を合わせているに違いない。ということは…
(…キュリオ様に…お知らせしなくては…っ…)
(…やはり記憶違いなどではなかったっ!!こいつこそ…もっとも危険な"あの男"だったんだっ!!)
「…キュリオ様っ!!」
「…キュリオ…
その忌々しい名をまた聞くことになるとは…ですが、こうして与えられた好機に感謝しなくてはいけませんね」
右手を振り上げた男に対し、
迫りくる巨大な力にぎゅっと瞳を閉じたアレスだったが…次に届いた声はまったくの別人のものだった―――。
―――バターン!!
勢いよく屋上の扉が開いたと思ったら…
「お母さまーっ!!」