狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
その38
「……」
無言のまま立ちつくす長身の<雷帝>へと視線を向けたセシエル。
白銀の鎧をまとっているのはいつの時代も変わらぬらしいことがうかがえる。
(彼がキュリオと同世代の…)
探るような眼差しを彼に這わせていると、近づいた気配に顔を上げた<雷帝>。
「…すまないキュリオ殿、迷惑をかけ…」
とまで言いかけて目を見開いたエデン。
「…貴方は?」
キュリオの隣りにいる彼そっくりな美青年に驚くのも無理はない。
瞳の色やその身を覆う輝きに違いがあるのはわかるが…
「私の名はセシエル。君が謝る必要はない。むしろ巻き込んでしまったのはこちらのほうだ」
キュリオに似た青年の口から発せられた美しいテノールの響き。
そして艶やかな銀髪に、ふたつの若葉色の瞳。
「……」
(…セシエル?どこかで聞いた覚えが…)
記憶を辿るようにその青年の姿を見つめ直すエデン。やがて…
「…っ!」
はっとした決定的な何かがエデンの思考を狂わせる。
「…その剣の輝き…」
エデンの着眼点は申し分ない。
セシエルの持つ剣が神具だと見抜けるのもやはり同じ神具をもつ王だからと言える。
「…いや、そんなはずは…」
無言のまま立ちつくす長身の<雷帝>へと視線を向けたセシエル。
白銀の鎧をまとっているのはいつの時代も変わらぬらしいことがうかがえる。
(彼がキュリオと同世代の…)
探るような眼差しを彼に這わせていると、近づいた気配に顔を上げた<雷帝>。
「…すまないキュリオ殿、迷惑をかけ…」
とまで言いかけて目を見開いたエデン。
「…貴方は?」
キュリオの隣りにいる彼そっくりな美青年に驚くのも無理はない。
瞳の色やその身を覆う輝きに違いがあるのはわかるが…
「私の名はセシエル。君が謝る必要はない。むしろ巻き込んでしまったのはこちらのほうだ」
キュリオに似た青年の口から発せられた美しいテノールの響き。
そして艶やかな銀髪に、ふたつの若葉色の瞳。
「……」
(…セシエル?どこかで聞いた覚えが…)
記憶を辿るようにその青年の姿を見つめ直すエデン。やがて…
「…っ!」
はっとした決定的な何かがエデンの思考を狂わせる。
「…その剣の輝き…」
エデンの着眼点は申し分ない。
セシエルの持つ剣が神具だと見抜けるのもやはり同じ神具をもつ王だからと言える。
「…いや、そんなはずは…」