狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
その40
「クジョウ!!」
豹変したセンスイに狙われているというのに神具を召喚しないエデン。
いつもクジョウから邪見にされているはずの彼だが、悲しげなその表情からはそれらを根に持った様子は一切なく、ただクジョウの身を案じているあたりから彼の器の大きさを感じる。
そして近づこうとしたエデンに険しい表情を向けたクジョウが口の端から血を流しながら呻(うめ)いた。
「…セ、ンスイの…狙い、は…お前だっ!!…ぐずぐずせずに逃げろっっ…!!」
「そんなことわかってるさ…」
ぎゅっと拳を握りしめたエデンの頬を冷たい風がなぞる。
武器も持たずに立ち尽くす彼を見ればわかる。エデンは戦う気がないのだと…。
(…なぜあの<雷帝>は戦わない?…いや…戦えない、か…)
すでに三つ巴の戦いとなってしまった目の前の光景にセシエルが細かな分析を始める。
(戦いに向いていないと言っていたあの男…今では私の次に強い。もう少し早く終わらせるべきだったな…)
そして彼の視線を釘づけにしているセンスイの持つ"何か"。
まるでそれはセンスイの心に呼応するかのようにその輝きをどんどん強めていく。
豹変したセンスイに狙われているというのに神具を召喚しないエデン。
いつもクジョウから邪見にされているはずの彼だが、悲しげなその表情からはそれらを根に持った様子は一切なく、ただクジョウの身を案じているあたりから彼の器の大きさを感じる。
そして近づこうとしたエデンに険しい表情を向けたクジョウが口の端から血を流しながら呻(うめ)いた。
「…セ、ンスイの…狙い、は…お前だっ!!…ぐずぐずせずに逃げろっっ…!!」
「そんなことわかってるさ…」
ぎゅっと拳を握りしめたエデンの頬を冷たい風がなぞる。
武器も持たずに立ち尽くす彼を見ればわかる。エデンは戦う気がないのだと…。
(…なぜあの<雷帝>は戦わない?…いや…戦えない、か…)
すでに三つ巴の戦いとなってしまった目の前の光景にセシエルが細かな分析を始める。
(戦いに向いていないと言っていたあの男…今では私の次に強い。もう少し早く終わらせるべきだったな…)
そして彼の視線を釘づけにしているセンスイの持つ"何か"。
まるでそれはセンスイの心に呼応するかのようにその輝きをどんどん強めていく。