狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
その44
軽々と窓枠を越えたアレスのローブが風に靡き、あっという間にカイの目の前に降り立った。
思いもよらぬ助っ人に喜んだカイだったが…
「アオイ様に会わなかったかっ!?」
切羽詰まった形相でアレスは両肩を掴まれ、問われる。
「え…?お前こそ姫様と一緒だったんじゃ…」
「俺のせいなんだっ!!俺がっ…怪我したせいでアオイ様は助けを呼びに……」
辛そうに視線を下げた先に、痛々しく流血するカイの怪我を視界に捉えたアレス。
「…なんだって…?一体誰のもとへ…」
「恐らく…キュリオ様かお前を探しに行こうと…けど、すぐ子供が現れて…」
カイはアオイと子供が消えた先を視線で示した。
(…この先にあるのは屋上へと続く階段…嫌な予感がする…)
「…カイ、私は姫様を追いかける。三人でこの学園から離れろとキュリオ様の命令が下った」
「三人で?…キュリオ様が…?」
目を見開いた剣士の瞳にわずかな戸惑いが見て取れる。彼もアレスと同じく、学園の生徒たちのことを考えているのだろう。
「キュリオ様を信じろ!私もアオイ様を見つけたらここへ戻る。怪我を治すのはそのあとだ!!」
「…わかった…アレス、必ず姫様を連れて来てくれっ!!」
「わかってる!!」
振り返らず走り出したアレスは再度屋上へと続く階段にむかい速度を上げていく。
思いもよらぬ助っ人に喜んだカイだったが…
「アオイ様に会わなかったかっ!?」
切羽詰まった形相でアレスは両肩を掴まれ、問われる。
「え…?お前こそ姫様と一緒だったんじゃ…」
「俺のせいなんだっ!!俺がっ…怪我したせいでアオイ様は助けを呼びに……」
辛そうに視線を下げた先に、痛々しく流血するカイの怪我を視界に捉えたアレス。
「…なんだって…?一体誰のもとへ…」
「恐らく…キュリオ様かお前を探しに行こうと…けど、すぐ子供が現れて…」
カイはアオイと子供が消えた先を視線で示した。
(…この先にあるのは屋上へと続く階段…嫌な予感がする…)
「…カイ、私は姫様を追いかける。三人でこの学園から離れろとキュリオ様の命令が下った」
「三人で?…キュリオ様が…?」
目を見開いた剣士の瞳にわずかな戸惑いが見て取れる。彼もアレスと同じく、学園の生徒たちのことを考えているのだろう。
「キュリオ様を信じろ!私もアオイ様を見つけたらここへ戻る。怪我を治すのはそのあとだ!!」
「…わかった…アレス、必ず姫様を連れて来てくれっ!!」
「わかってる!!」
振り返らず走り出したアレスは再度屋上へと続く階段にむかい速度を上げていく。