狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
その48
「あれは…結界…?」
大きく弾かれたキュリオの神剣からは攻撃魔法の輝きが失われている。
「…あれを破るためにエデン君の力が必要かもしれない」
何事もなかったようにキュリオの隣りに立ったセシエル。
「セシエル様、あれは…」
早く終わらせたいと言っていた彼だが、やはり何か別の狙いがあるようだ。
そして…
『…っ…』
己の身を優しく包む光にセンスイは喉を鳴らし、俯いている。
ポタポタと流れ落ちる雫が悲しげにセンスイの手元を濡らし…彼を中心に立ち上がった光が、頬を伝う涙を優しく撫でていく。
すると、戦意を失ったようにダラリと腕を下げたセンスイが目元を和らげ…暗い空を見上げた。
『…それでも…私は……』
目を閉じたセンスイが淡い光を噛みしめるように呟くと…
『……もう誰も許さないッッッ!!!』
ギッとエデンらを睨んだセンスイの瞳がさらなる憎悪を引き連れて戻ってきた。
『…ッ…貴様ら全員皆殺しだッッッ!!!』