狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
その66
「ということは…彼らは悠久の者なのですか?」
"化け物"に彼女がやられたのではないとわかり、ほんの少し安堵したキュリオだったが…
一度瞳を伏せ、こちらに向き直ったセシエルは真剣さを増した瞳で口を開く。
「…いや…世界の最果ての者たちというべきかもしれない。そしてキュリオ…」
「今回の戦いでわかった事がある。やつらは万全ではなかったらしいが…とてつもなく強い。決してひとりで戦ってはならない」
「お前の代の精霊王・エクシスを頼るんだ」
「…精霊王・エクシス殿…?彼は現代でも王のはずでは…」
偉大な王を代々生み出してきた精霊の国。
いつの時代も一人当たりの任期はとてつもなく長いことで知られているが、アオイは五百年以上未来からやってきたと言っていた。それはつまり…現代でも名を轟かせる精霊王・エクシスが未来の千年王であることを意味していた。
「…まさかっ…、しかし…」
伝説とまで謳われる千年王が誕生したとして、セシエルのいう敵はそれほどまでの者たちなのだろうか?
にわかに信じがたい話にキュリオは戸惑いを見せる。
「…やつらは王を倒したと言っていた。未来のお前も私と共にその話を聞いていたが、同じことを考えたはずだ」
「セシエル様と同じ事を…ですか?」
「あぁ、倒された王の力量はどれほどのものだったかをね…」
この時の彼らはまだ知らない。
彼らに倒された王が…この二人よりも遥かに強い王だということを―――。
"化け物"に彼女がやられたのではないとわかり、ほんの少し安堵したキュリオだったが…
一度瞳を伏せ、こちらに向き直ったセシエルは真剣さを増した瞳で口を開く。
「…いや…世界の最果ての者たちというべきかもしれない。そしてキュリオ…」
「今回の戦いでわかった事がある。やつらは万全ではなかったらしいが…とてつもなく強い。決してひとりで戦ってはならない」
「お前の代の精霊王・エクシスを頼るんだ」
「…精霊王・エクシス殿…?彼は現代でも王のはずでは…」
偉大な王を代々生み出してきた精霊の国。
いつの時代も一人当たりの任期はとてつもなく長いことで知られているが、アオイは五百年以上未来からやってきたと言っていた。それはつまり…現代でも名を轟かせる精霊王・エクシスが未来の千年王であることを意味していた。
「…まさかっ…、しかし…」
伝説とまで謳われる千年王が誕生したとして、セシエルのいう敵はそれほどまでの者たちなのだろうか?
にわかに信じがたい話にキュリオは戸惑いを見せる。
「…やつらは王を倒したと言っていた。未来のお前も私と共にその話を聞いていたが、同じことを考えたはずだ」
「セシエル様と同じ事を…ですか?」
「あぁ、倒された王の力量はどれほどのものだったかをね…」
この時の彼らはまだ知らない。
彼らに倒された王が…この二人よりも遥かに強い王だということを―――。