狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
前夜Ⅳ
「それでは俺は失礼いたします。…おやすみなさいませ姫様」
「…?カイ、一緒に寝ないの?」
すでに扉の前へと移動していた剣士を振り返り、アオイは慌てたように歩み寄った。
「ですが…姫様は明日に備えてもうお休みになったほうが…」
「うん?夜話しなくても一緒に眠れるでしょ?」
真ん丸な瞳に疑問の色を浮かべ、アオイはカイの腕を両手で握りしめた。
「あ…はい…」
こうして無邪気な姫は年頃の娘になっても変わらず彼に接してくるが、カイはそうではないらしい。
「……」
ベッドとシーツの間に潜り込み枕のひとつに頭をのせたアオイの瞳が棒立ちになっているカイを不思議そうに見つめている。
「…カイ?」
「…は、はいっ、ただいま!」
ぎこちなく駆け寄り、背にある武具のベルトを外す手が震えている彼のおかしな挙動を前にしたアオイは…
「大丈夫?具合悪い?」
上半身を起こしたアオイはベッドを飛び出し、長い髪を耳にかけながらいつまでもベルトを外せずにいる剣士から上手に留め金を外してやる。
ドキリとする彼女の大人びいた仕草に、カイの鼓動は激しく高鳴った。
「…?カイ、一緒に寝ないの?」
すでに扉の前へと移動していた剣士を振り返り、アオイは慌てたように歩み寄った。
「ですが…姫様は明日に備えてもうお休みになったほうが…」
「うん?夜話しなくても一緒に眠れるでしょ?」
真ん丸な瞳に疑問の色を浮かべ、アオイはカイの腕を両手で握りしめた。
「あ…はい…」
こうして無邪気な姫は年頃の娘になっても変わらず彼に接してくるが、カイはそうではないらしい。
「……」
ベッドとシーツの間に潜り込み枕のひとつに頭をのせたアオイの瞳が棒立ちになっているカイを不思議そうに見つめている。
「…カイ?」
「…は、はいっ、ただいま!」
ぎこちなく駆け寄り、背にある武具のベルトを外す手が震えている彼のおかしな挙動を前にしたアオイは…
「大丈夫?具合悪い?」
上半身を起こしたアオイはベッドを飛び出し、長い髪を耳にかけながらいつまでもベルトを外せずにいる剣士から上手に留め金を外してやる。
ドキリとする彼女の大人びいた仕草に、カイの鼓動は激しく高鳴った。