狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
気になるのはどっち?
「あっ…」
幼い子供にそうする父親のような仕草にアオイは慌てて口元を隠す。
「ごめんなさいっ…何かついて…」
「いや…なにも?」
「…?」
キュリオの意味深な言葉に首を傾げるアオイ。
「…私に聞きたいことでもあるのかい?」
わずかに低くなったキュリオの声にアオイは小さく頷いた。
「…アラン先生の泊まる部屋、やっぱり他の先生たちも一緒なのかなって…」
「……」
すると、拍子抜けしたようにキュリオが瞬きした。
(…てっきりカイの事を聞いてくるのかと思ったが…)
少しだけ嬉しそうなキュリオにアオイの脳内はさらに疑問の色を強めていく。
「おとう…さま?」
「心配いらないよアオイ…すでに策は講じているからね」