狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

私次第?

「まさか…カイが朝からいないのって…お父様の言いつけなの?」


「…私からは何も。しかし…姫様の態度によってキュリオ様がお考えを改めてくださる可能性は十分にございます」


「私の態度で…?」


(私…またいけない事をしてしまったのかしら…でも、それならお叱りを受けるのはカイではないはず…私の態度でカイへの考えを改めてくださるってどういう事…?)


「…そろそろお時間です。お気を付けていってらっしゃいませ」


「うん…いってくるね」


アレスからバッグを受け取り、とぼとぼと歩いていくアオイ。

朝から不明のカイに対する手がかりを得たものの…複雑な想いが心をよぎる。


(…私が知らないところで二人は何の話をしていたんだろう…)


自分が成長するにつれ、どうもキュリオの過保護ぶりが加速している気がしてならない。

だからと言ってキュリオを拒絶しているわけでもないアオイは…最近、その対処法に困っているのも事実だった。


(…ミキやシュウに相談してみようかな…)


特に仲の良いクラスメイトの名を挙げたアオイだが、シュウはすでに一人暮らしをしていると聞いたことがある。

そして…あまり他人と比べた事のない自分の生活にアオイが衝撃を受けるのは…それから数時間後の事だった―――。


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