狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
Ⅶ―ⅵ 使者を募って
困惑した様子の大魔導師にキュリオは視線をうつし提案する。
「使者に年齢は関係ない。この体験が彼を成長させるものなら私は彼を行かせてもいいと思うよ。もちろん一人で行かせるつもりはないから安心しておくれ」
穏やかに微笑むキュリオはソファの背へ体を預けると、"あとは君たち次第だ"とばかりに成り行きを見守ろうとしている。
「ふむぅ…キュリオ様がそうおっしゃるなら…」
心配であまり乗り気ではないといった様子の彼を見つめながらキュリオは目元を細めて笑っている。
「可愛い子には旅をさせろと言うではないか」
キュリオが声援を送るような言葉を連ねると、アレスは嬉しそうに頬を染めて目をキラキラさせた。
「先生!行かせてくださいっ!!」
アレスは立ちあがって深く頭を下げる。