狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
空回り
そして馬車の中を見渡すと…
向かい合うタイプの座席が幸いにも、アランとアオイの距離を縮めている。
しかし彼の両隣には英語の教師・アケミと国語の教師・トモミがおり、その後ろには数学教師のミハルが身を乗り出して話に混ざってくる。
(お父様…足長い…っ…)
足を組みながらアオイの向かい側に座るアラン。
彼は無意識なのだろうが、その足先がアオイのそれと今にも触れ合いそうな距離にあった。
時折大きく揺れる馬車の振動がアオイの足元をぐらつかせ…
―――コツン…
「…っ…」
(お、落ち着いて私…っ…!お父様とただ足がぶつかっただけなんだからっ!!)
ぶつかってしまった足をどこに置こうかとそわそわしていると…
「おいアオイ、寒いか?」
心配そうに顔を覗きこんできたシュウ。
足元が冷えているせいでアオイの挙動がおかしいのかと勘違いしている様子だ。
「う、ううんっ!そういうわけじゃなくて…」
「これ膝にかけてろよ」
自然な動作で上着を脱ぎ始めたシュウがパサァとアオイの足にかけられた。
「ありがとうシュウ…」
本音は違ったが…優しいシュウの思いを無下にすることも出来ず、ありがたく彼のぬくもりがうつった上着で暖をとるアオイ。
「……」
そして顔を上げると不機嫌さをあらわにしたアランと目が合ってしまった。
「……」
(どうしよう…アレス言ってたよね、私の態度が大事だって…)
向かい合うタイプの座席が幸いにも、アランとアオイの距離を縮めている。
しかし彼の両隣には英語の教師・アケミと国語の教師・トモミがおり、その後ろには数学教師のミハルが身を乗り出して話に混ざってくる。
(お父様…足長い…っ…)
足を組みながらアオイの向かい側に座るアラン。
彼は無意識なのだろうが、その足先がアオイのそれと今にも触れ合いそうな距離にあった。
時折大きく揺れる馬車の振動がアオイの足元をぐらつかせ…
―――コツン…
「…っ…」
(お、落ち着いて私…っ…!お父様とただ足がぶつかっただけなんだからっ!!)
ぶつかってしまった足をどこに置こうかとそわそわしていると…
「おいアオイ、寒いか?」
心配そうに顔を覗きこんできたシュウ。
足元が冷えているせいでアオイの挙動がおかしいのかと勘違いしている様子だ。
「う、ううんっ!そういうわけじゃなくて…」
「これ膝にかけてろよ」
自然な動作で上着を脱ぎ始めたシュウがパサァとアオイの足にかけられた。
「ありがとうシュウ…」
本音は違ったが…優しいシュウの思いを無下にすることも出来ず、ありがたく彼のぬくもりがうつった上着で暖をとるアオイ。
「……」
そして顔を上げると不機嫌さをあらわにしたアランと目が合ってしまった。
「……」
(どうしよう…アレス言ってたよね、私の態度が大事だって…)