狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
アランへの疑惑
「シュウ…?」
"…穢れた血のせいで人に溶け込めぬ哀れな鬼へ…終止符を打ってやるのも私の務めだ…"
(アランのやつ…俺がヴァンパイアの血を引いてるってどこで知りやがった…)
「……」
一般人には特徴や血肉を口にしているところを見られない限り、ヴァンパイアだと判断することは難しいはずだ。
ましてや人の血も受け継いでいるシュウは日の光が弱点というわけでもない。
「ねぇミキ…」
立派な木造りの赤い橋を渡りながら声をかけても反応を示さない少年に、半歩下がったアオイは不安そうに親友へ助けを求める。
「アンタの声が耳に入らないくらいやらしい事考えてんじゃないの?」
恥じらいもなく淡々とそのような言葉を口にしたミキに…
「お前と一緒にすんなっ!!」
「なーんだ。聞こえてるなら返事くらいしなって。もう料亭につくよ?」
「お、そうか…」
風にのって運ばれてくる香ばしいかおりにシュウがあたりを見回す。
「なんの匂いだろう?おいしそうな香り…」
アオイは嗅ぎなれていない調味料の匂いと、食材の気配に瞳を輝かせている。
(お昼のメニュー、ジルに話してみようかな?きっと興味を持ってくれるはずだもの)
アオイはバッグから取り出した旅のしおりを開き、ラストのページをめくると日付と時間をメモしていった。
"…穢れた血のせいで人に溶け込めぬ哀れな鬼へ…終止符を打ってやるのも私の務めだ…"
(アランのやつ…俺がヴァンパイアの血を引いてるってどこで知りやがった…)
「……」
一般人には特徴や血肉を口にしているところを見られない限り、ヴァンパイアだと判断することは難しいはずだ。
ましてや人の血も受け継いでいるシュウは日の光が弱点というわけでもない。
「ねぇミキ…」
立派な木造りの赤い橋を渡りながら声をかけても反応を示さない少年に、半歩下がったアオイは不安そうに親友へ助けを求める。
「アンタの声が耳に入らないくらいやらしい事考えてんじゃないの?」
恥じらいもなく淡々とそのような言葉を口にしたミキに…
「お前と一緒にすんなっ!!」
「なーんだ。聞こえてるなら返事くらいしなって。もう料亭につくよ?」
「お、そうか…」
風にのって運ばれてくる香ばしいかおりにシュウがあたりを見回す。
「なんの匂いだろう?おいしそうな香り…」
アオイは嗅ぎなれていない調味料の匂いと、食材の気配に瞳を輝かせている。
(お昼のメニュー、ジルに話してみようかな?きっと興味を持ってくれるはずだもの)
アオイはバッグから取り出した旅のしおりを開き、ラストのページをめくると日付と時間をメモしていった。