狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
助け舟
「アンタまめになったよね!大好きなお父様に詳しく聞かせるつもりでしょ!?」
彼女の手元を覗き込んだミキがニヤニヤしながら冷やかしてくる。
「あ…えっと、どっちかというと"おじい様"にかな?」
実年齢はキュリオのほうがかなり上なのだが、彼は父親だ。そして見た目で上を行くジルを"おじい様"と表現したアオイはあながち間違ってもいない。
「…あれ?二人暮らしじゃなかった?」
(いけないっ!!)
「そ、それは…」
本来、隠し事をすることにも抵抗があるアオイは嘘を嘘で包み隠さなくてはいけない。しかし、そのような考えが及ぶわけもなく…
「最近同居を始めた…と聞いていたが、違っていたかな?」
「アラン先生…」
目的地付近で馬車を下りた際、生徒の点呼のため彼女らの傍を離れたはずのアランがいつの間にか戻ってきている。そのお陰で険悪だった雰囲気が一度は打ち切られ…内心ほっとしていたアオイ。
またシュウと何かあったら…という不安もあったが、戻ってきたアランの助け舟に救われて安堵のため息をついた。
「あ、そうなんだー!"おじい様"は元気なの?」
「うん、とっても元気なの。お料理が上手だから…お土産は調理器具とかにしようかな?」
「それいいねっ!きっと喜ぶよ!!っと…たしかここだよね?この料亭!」
「わぁ…っ…」
言われて見上げた先には…
彼女の手元を覗き込んだミキがニヤニヤしながら冷やかしてくる。
「あ…えっと、どっちかというと"おじい様"にかな?」
実年齢はキュリオのほうがかなり上なのだが、彼は父親だ。そして見た目で上を行くジルを"おじい様"と表現したアオイはあながち間違ってもいない。
「…あれ?二人暮らしじゃなかった?」
(いけないっ!!)
「そ、それは…」
本来、隠し事をすることにも抵抗があるアオイは嘘を嘘で包み隠さなくてはいけない。しかし、そのような考えが及ぶわけもなく…
「最近同居を始めた…と聞いていたが、違っていたかな?」
「アラン先生…」
目的地付近で馬車を下りた際、生徒の点呼のため彼女らの傍を離れたはずのアランがいつの間にか戻ってきている。そのお陰で険悪だった雰囲気が一度は打ち切られ…内心ほっとしていたアオイ。
またシュウと何かあったら…という不安もあったが、戻ってきたアランの助け舟に救われて安堵のため息をついた。
「あ、そうなんだー!"おじい様"は元気なの?」
「うん、とっても元気なの。お料理が上手だから…お土産は調理器具とかにしようかな?」
「それいいねっ!きっと喜ぶよ!!っと…たしかここだよね?この料亭!」
「わぁ…っ…」
言われて見上げた先には…