狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
Ⅶ―ⅶ 使者を募って
「まぁ…のぉ」
しばらくして根負けしたガーラントは"やれやれ"とため息をついた。
「早すぎる気もするが…いいじゃろ。
念のため剣士2名、魔導師2人を連れていけ。アレス、お前は最後尾じゃぞ。わかったな?」
「はいっっ!先生!!了解いたしました!!」
ふと、和やかな空気に包まれたと思った瞬間…
ガーラントの顔が厳しくなり、大きな手がアレスの肩に乗せられる。
「よいかアレス。キュリオ様の書簡は各国を隔てているあちら側の門の番人に渡すだけじゃぞ」
「心配しなくていいよガーラント。使者として経験がある者を同行させよう」
ただならぬガーラントの気配にアレスは息を飲んだ。
キュリオの表情を見る限り危険はなさそうなのだが…
「死の国に立ち入ってはならぬ…冥王とは顔を合せてはならん」