狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
思わぬ…トラブル?
「申し訳ございませんお客様…団体でいらっしゃるとは聞いて人数の確認はしていたはずだったのですが…」
シュウを先頭に橋を渡りきったとたん、店員らしき男からすまなそうに声をかけられてしまったアオイたち。
「…あ?なんだよ、つまり?」
拍子抜けしたシュウの声からは落胆の色が隠せない。料理屋で働く彼の経験から…大方、座席か食材が足りないと言われるのがオチだろうと予想していたのだ。
「学園の皆様とは別になりますが…別室の座敷でもよろしいでしょうか…?」
いわゆる着物と呼ばれるような装いに身を包んだ中年の男は、心底申し訳なさそうに頭を下げ続けている。
「別にいいんじゃない?アタシたちがバラバラになんなきゃ問題ないっしょ?」
「うん、私も構わないよ」
「…話はまとまったね」
「私たちは別の座敷で構わない。早速案内願おうか」
副担任を任されているアランが前に出て話し始めた。
「へ、へぃ!あの…先生様でいらっしゃいますか?このたびは誠に…」
ことさら腰を低く、眉をハの字に下げた男が謝罪の意を述べようとするが…
「あぁ、人間トラブルは付き物だ。この件を咎めるつもりはない…心配しなくていい」
アラン自身、アオイと引き離されることがない限り…声を荒げたりはしない。むしろ二人きりになれる境遇を探しているくらいだ。
『ねぇアオイ、アラン先生さ…』
『うん?』
突如声を下げたミキにアオイが耳を寄せる。
『わざと個室になるように手配してるとかじゃないよね?』
『え…?どういう意味?』
『ほら…先生ってさ、騒がれたり女子が群がるといつも嫌な顔してるじゃん!』
『う、うん…そうだね…』
『だーかーらっ!わざと最後に入って別室になるように…って、ありえない?』
『うーん…そこまでするかな?』
キュリオならば有り得ないこともなさそうだが、そうまでしてこの旅行についてくるとは思えない。あくまで学園での彼の行動が逸脱しているときは、許される範囲内でうまく立ち回っているような気がするのだ。
シュウを先頭に橋を渡りきったとたん、店員らしき男からすまなそうに声をかけられてしまったアオイたち。
「…あ?なんだよ、つまり?」
拍子抜けしたシュウの声からは落胆の色が隠せない。料理屋で働く彼の経験から…大方、座席か食材が足りないと言われるのがオチだろうと予想していたのだ。
「学園の皆様とは別になりますが…別室の座敷でもよろしいでしょうか…?」
いわゆる着物と呼ばれるような装いに身を包んだ中年の男は、心底申し訳なさそうに頭を下げ続けている。
「別にいいんじゃない?アタシたちがバラバラになんなきゃ問題ないっしょ?」
「うん、私も構わないよ」
「…話はまとまったね」
「私たちは別の座敷で構わない。早速案内願おうか」
副担任を任されているアランが前に出て話し始めた。
「へ、へぃ!あの…先生様でいらっしゃいますか?このたびは誠に…」
ことさら腰を低く、眉をハの字に下げた男が謝罪の意を述べようとするが…
「あぁ、人間トラブルは付き物だ。この件を咎めるつもりはない…心配しなくていい」
アラン自身、アオイと引き離されることがない限り…声を荒げたりはしない。むしろ二人きりになれる境遇を探しているくらいだ。
『ねぇアオイ、アラン先生さ…』
『うん?』
突如声を下げたミキにアオイが耳を寄せる。
『わざと個室になるように手配してるとかじゃないよね?』
『え…?どういう意味?』
『ほら…先生ってさ、騒がれたり女子が群がるといつも嫌な顔してるじゃん!』
『う、うん…そうだね…』
『だーかーらっ!わざと最後に入って別室になるように…って、ありえない?』
『うーん…そこまでするかな?』
キュリオならば有り得ないこともなさそうだが、そうまでしてこの旅行についてくるとは思えない。あくまで学園での彼の行動が逸脱しているときは、許される範囲内でうまく立ち回っているような気がするのだ。