狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
小さな異変Ⅱ
「そうか?」
さほど興味もなさそうにシュウが首を傾げた。
「シュウは思わないの?あぁいう人がいいなとか…」
「…別に……俺は心に寄り添ってくれるようなやつが好きだ。お前みたいに…」
「うん?」
消えるような声で呟いたシュウの言葉が聞き取れず、アオイはお吸い物に口をつけながら聞き返す。
「…っなんでもねぇって!!ほら!早く食っちまえよ!」
頬を赤らめながら照れ隠しで捲し立てるシュウ。
ふとした合間に愛を告白している彼だが、鈍いアオイは一向に気づく様子がない。
「あーだめだめ!そんなんじゃいつになっても伝わんないよ?人一倍鈍感なこの子に告白するならもっとわかりやすく言わなきゃ!」
「…う、うるせぇ…」
「君たち…アオイさんの食事の邪魔をしないように」
いつものようにシュウを冷かしていると、決まって不機嫌になるアランの様子にミキは笑いを堪えている。
(ほんと不器用な男ばっかだねー!)
「はーい!」
と、元気のよい返事をしたミキと…
「あ!?邪魔なんてしてねぇよ!」
毎度アランにつっかかるシュウだった―――。