狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
配役への不安
かなり大きな部屋は中心で襖により仕切られ、左右に分かれた片方が寝室になっているようだった。
そして一面畳張りかと思いきや窓辺付近はフローリングになっており、小さなテーブルに添えられた椅子はとても座り心地が良さそうに見える。
アオイたち以外、早々に旅館へと到着した生徒たちは続々と部屋をでて庭を散歩したり、お土産の並ぶ売店へと顔を覗かせていた。
そんな中、ようやく部屋にたどり着いた二人は…
(あんなにヴァンパイアを嫌っていたお父様がヴァンパイアの役を…)
バッグの中から持ち込んだ荷物を広げていたアオイはアランの言葉に戸惑いながらもその手を動かしている。
「それにしても残念だったねー、シュウも同じ部屋だったらよかったのに…」
「……」
(他の先生方に押し付けられて役が決まってしまったとか…?)
「アオイ?」
「……」
(もしそうだとしたら悪いことしちゃったな…)
元より段違いな美しさを誇るアランが演劇とあらば、重要な役に抜擢されないわけがない。
「おーい…?」
「……」
(それがよりにもよってヴァンパイアだなんて…)
「アオイってば!」
「…あ…えっと、ごめん?ミキ…」
耳元で大声を上げられ、アオイの意識が引き戻されていく。
「さっきからぼーっとしてほんと大丈夫?アンタ…」
「う、うん…ちょっと考え事してて…」
「なになに?ここまで来て考え事なんてまさか…」
「まさか…って?」
意味深な笑みを浮かべるアオイにアオイは首を傾げて二人は互いの瞳を覗き込んでいる。
そして一面畳張りかと思いきや窓辺付近はフローリングになっており、小さなテーブルに添えられた椅子はとても座り心地が良さそうに見える。
アオイたち以外、早々に旅館へと到着した生徒たちは続々と部屋をでて庭を散歩したり、お土産の並ぶ売店へと顔を覗かせていた。
そんな中、ようやく部屋にたどり着いた二人は…
(あんなにヴァンパイアを嫌っていたお父様がヴァンパイアの役を…)
バッグの中から持ち込んだ荷物を広げていたアオイはアランの言葉に戸惑いながらもその手を動かしている。
「それにしても残念だったねー、シュウも同じ部屋だったらよかったのに…」
「……」
(他の先生方に押し付けられて役が決まってしまったとか…?)
「アオイ?」
「……」
(もしそうだとしたら悪いことしちゃったな…)
元より段違いな美しさを誇るアランが演劇とあらば、重要な役に抜擢されないわけがない。
「おーい…?」
「……」
(それがよりにもよってヴァンパイアだなんて…)
「アオイってば!」
「…あ…えっと、ごめん?ミキ…」
耳元で大声を上げられ、アオイの意識が引き戻されていく。
「さっきからぼーっとしてほんと大丈夫?アンタ…」
「う、うん…ちょっと考え事してて…」
「なになに?ここまで来て考え事なんてまさか…」
「まさか…って?」
意味深な笑みを浮かべるアオイにアオイは首を傾げて二人は互いの瞳を覗き込んでいる。