狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

いつも三人で…Ⅱ

こうして二人は恐らくアランが手をまわしてくれたであろう、この広い部屋で着替えを済ませると…


「ほぉらシュウ！両手に花だね！」


「お待たせシュウ！」


「のゎっ！！」


勢いよく飛び出してきたミキとアオイがシュウを挟み腕組みをしてくる。


「ごめんね、着付けの紙読みながら着替えたんだけど…手間取って遅くなっちゃった」


「…っ全然待ってねぇよっ!!その…すげぇ可愛いぜアオイ」


「あ、ありがと…っ…」


「ちょっとこっちも褒めなさいよ！！」


藍色の浴衣に身を包んだシュウの両脇に黄色の浴衣を着たミキと、淡いピンク色の浴衣のアオイ。


「はいはいー馬子にも衣装ってか？」


「なんだとーっ！？」


憎まれ口を叩くシュウだが、よほど楽しいのか怒っているミキの顔にも笑顔が混じる。


「すごく綺麗だよミキ」


そう言いながら宥(なだ)めるようにアオイがミキの腕にしがみついた。


「…ほんとにこの子は…そういうアンタが世界一だっての!!」


「全くだぜ！！」


今度はアオイを中心にミキとシュウが彼女の腕をとって歩き始めた。

こうして大好きな友と触れ合える幸せを噛みしめながら、以前にも増して二人を想う気持ちがどんどん強くなっていくアオイ。


(この先ずっと…ミキやシュウと一緒に歩いて行きたい…)


しかし、学園を卒業した後の三人がどうなるかわからない。

ましてや悠久の姫であるアオイはキュリオの公務に付き添い、各地へと赴(おもむ)くこともあるだろう。



だが、当のキュリオはというと…