狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
称号の剥奪
大切なアオイを人の目にさらさず、城に隠しておきたい反面…時折、彼女を知らない中途半端に身分のある者からひどい仕打ちを受けることがどうしようもなく許せないらしいのだ。
『私は大丈夫ですお父様…』
彼女を傷つけた女神たちの称号を何度も剥奪しようとしたキュリオにアオイはその都度首を横に振っていた。
『創世紀の悠久を助けてくださった女神様方には何の罪もありません。この時代の女神様の行いで全てが無に帰してしまうようなこと…私は望みません』
『…罪がその身分故(ゆえ)に許されるなどありはしない。傲慢なその態度を身を以て償う理由が彼女らにはある…』
正面からサラリと指先でアオイの髪を梳いたキュリオが優しく背に腕をまわす。
『……』
もちろんキュリオの言うことがわからないアオイではない。
彼は"いくら身分が高かろうと犯した罪が許されることはない"のだと言っており、他にも目に余る彼女らの傲慢な態度をこの機会に改めさせようというのだ。
(でも…それで女神様の称号が奪われてしまったら…)
初代・悠久の王とともに、この国を守護した気高い彼女らの栄光が無かったことになってしまうのは心苦しすぎる。
そして称号剥奪まで行うというキュリオの物言いに疑問を隠せないアオイは…恐らく自分柄みであることが大きく影響しているのだと確信していた。
『…かつての女神様たちはどんなお方だったのでしょう…』
キュリオの胸に顔を寄せたアオイはポツリと呟いた。
『…なぜ急に?』
『私は大丈夫ですお父様…』
彼女を傷つけた女神たちの称号を何度も剥奪しようとしたキュリオにアオイはその都度首を横に振っていた。
『創世紀の悠久を助けてくださった女神様方には何の罪もありません。この時代の女神様の行いで全てが無に帰してしまうようなこと…私は望みません』
『…罪がその身分故(ゆえ)に許されるなどありはしない。傲慢なその態度を身を以て償う理由が彼女らにはある…』
正面からサラリと指先でアオイの髪を梳いたキュリオが優しく背に腕をまわす。
『……』
もちろんキュリオの言うことがわからないアオイではない。
彼は"いくら身分が高かろうと犯した罪が許されることはない"のだと言っており、他にも目に余る彼女らの傲慢な態度をこの機会に改めさせようというのだ。
(でも…それで女神様の称号が奪われてしまったら…)
初代・悠久の王とともに、この国を守護した気高い彼女らの栄光が無かったことになってしまうのは心苦しすぎる。
そして称号剥奪まで行うというキュリオの物言いに疑問を隠せないアオイは…恐らく自分柄みであることが大きく影響しているのだと確信していた。
『…かつての女神様たちはどんなお方だったのでしょう…』
キュリオの胸に顔を寄せたアオイはポツリと呟いた。
『…なぜ急に?』