狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

娘ならではの視点

「あれ？アラン先生…ってことは…」


彼女の声にゆっくり振り返ったアオイたちが目にしたものは…


「きゃーっ！アラン先生待ってぇ!!」


「なんなのあの色っぽい姿っ!!」


「先生の部屋突き止めるのよ!!!」


「任せてっっ!!」


巨大な女子生徒の群れが大きな波となって押し寄せてくる。


「アオイ！ぼさっとしてないで！轢(ひ)かれるよ！！」


「う、うん!!」


ほぼシュウとミキに両脇を抱えられながら隅のほうに避難するアオイ。


颯爽と歩くアランの姿がどんどん小さくなっていく。


「先生どこ行くんだろ？」


「別にどこでもいいんじゃねーの」


だが、その姿はどこかに向かうというよりも…まるで彼女らを撒くことを目的として足を進めているように見えたアオイ。


「…たぶん先生…一人になりたいだけだと思う」


「へー、アオイにはそう見えるんだ？」


「うん…」


しかしそのアオイの言葉をアランが聞いたらこう言ったに違いない。



『…お前と二人きりになりたい…それが正解だ』