狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

知られざる真実Ⅱ

「…シュウ…」


アオイの唇から零れた彼の名をキュリオが聞き逃すはずもなく…

肯定の代わりにアオイの顎を撫でていた指先に力がこもる。


「…っ!」


(お父様…怒ってる…)


よほどの苛立ちだったのだろう、徐々に近づいてくるキュリオの視線がみるみる鋭いものに変化していく。


「…その存在に気付いた君は…彼を自分の部屋に匿(かくま)っていたらしい…」


(…私はシュウを隠し切れなかったんだっ…)


その後の展開がアオイには嫌というほど想像がついてしまった。

自分を溺愛しているキュリオの目を盗んで男を部屋に匿(かくま)うなど彼がよく思うはずがないからだ。


「…そして夜…」


「…私の部屋から戻らない君を探し、出歩いていた彼を私が捕まえた…」


「ごめんなさいっ…お父様、でもきっとシュウは悪くないからっ…」


「…そう…お前はあの時もそう叫んでいたね」



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