狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

"まだ教えていない"こと

「え?…カイが何か…」


アオイが問う前にその体は大きく反転させられて…


「きゃっ」


小さな衝撃にきつく目を閉じたアオイ。

衝撃がおさまり、ゆっくり瞼を開いていくと…


「…私以外の男としてはならないことをまだ教えていなかったね…」


アオイの体にのしかかるキュリオの体と顔が視界に飛び込んできた。


「…おと…っさ…」


恥ずかしさのあまりみるみる頬に熱が集まっていく。

慌てたアオイはキュリオの体を押し返し体勢を立て直そうと試みるが…


「…今夜の私はヴァンパイアだ」


「…っ…」


さらに強い力で肩を抑えつけられる。
今までにないキュリオの行動に戸惑いを隠せないアオイだが…それ以上に怖いのは重く暗い威圧的な視線だった―――…。


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