狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
命がけの恋
長寿で束縛の嫌う彼らが特定の伴侶をつくることはとても珍しい。それ故彼ら一族に新しい命が生まれることも滅多になく、ここ数十年あの種族が増えたという情報はないのだ。
"滅びる"という言葉にゾクリと背筋を震わせたアオイだが、そんな関係を築ける彼らを少し羨ましいとも思えた。
(…命がけの恋なんだ…)
「少し怖いけど…命をかけて相手を想えるのって素敵な事ですね」
「……」
思いがけないアオイの言葉にキュリオは無言のままだ。が、やがて口角をあげたキュリオは…
「アオイを城に迎い入れたとき、お前がヴァンパイアなら或いは…と願ったことがあった」
「あ、お父様が私に血を…というあの話ですね?もしヴァンパイアなら同じくらい長い時を生きられるのにって」
キュリオの笑みにふふっと顔をほころばせたアオイから緊張の色が抜けていく。
「そう…だが、私がヴァンパイアであればそれも可能だ」
「…え?」
「…互いの血を体内に取り込んでしまえばいい。そうすれば二度と私たちの間に入ろうとする輩も現れなくなるだろう。この瞳も心も…私だけをうつし、私だけを求めて…」
「…っ…」
まるで暗示をかけるように低く呟かれ、キュリオの言葉に意識が朦朧とするのを唇を噛んで堪えるアオイ。
「…っわ、わかりました。お父様がおっしゃりたいのは他人と血を交えてはいけないというお話、ですよね…?」
(しっかりしなきゃ…私がいつもだらしないからお父様は怒っているのだから…)
"滅びる"という言葉にゾクリと背筋を震わせたアオイだが、そんな関係を築ける彼らを少し羨ましいとも思えた。
(…命がけの恋なんだ…)
「少し怖いけど…命をかけて相手を想えるのって素敵な事ですね」
「……」
思いがけないアオイの言葉にキュリオは無言のままだ。が、やがて口角をあげたキュリオは…
「アオイを城に迎い入れたとき、お前がヴァンパイアなら或いは…と願ったことがあった」
「あ、お父様が私に血を…というあの話ですね?もしヴァンパイアなら同じくらい長い時を生きられるのにって」
キュリオの笑みにふふっと顔をほころばせたアオイから緊張の色が抜けていく。
「そう…だが、私がヴァンパイアであればそれも可能だ」
「…え?」
「…互いの血を体内に取り込んでしまえばいい。そうすれば二度と私たちの間に入ろうとする輩も現れなくなるだろう。この瞳も心も…私だけをうつし、私だけを求めて…」
「…っ…」
まるで暗示をかけるように低く呟かれ、キュリオの言葉に意識が朦朧とするのを唇を噛んで堪えるアオイ。
「…っわ、わかりました。お父様がおっしゃりたいのは他人と血を交えてはいけないというお話、ですよね…?」
(しっかりしなきゃ…私がいつもだらしないからお父様は怒っているのだから…)