狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
何もわかっていない
「……」
慌てて体の下から逃れようとするアオイを冷やかな瞳で見つめているキュリオ。
「お前は何もわかっていない…」
ボソリとつぶやかれた声はアオイに届いていない。尚も父親の眼下から逃れようと身じろぎしているその腕をキュリオが掴んだ。
「…お父様っ…!?きゃっ…」
「…私は…お前の姿を人の目に晒すことさえ許せないっ!!」
ギリギリと力を込めて握られた腕を強くひかれ、滅多な事で大声をあげないキュリオにただただ驚くアオイ。
「アオイ…ッ」
「…っ…」
そしてキュリオの大きな腕が背にまわり、きつく抱きしめられ息が詰まる。
しかし…
(…お父様震えてる……)
いつも冷静なキュリオがこれほど取り乱すなど彼の心がどれほど思い詰めていたかがわかってしまった。
(でも…一体どうしたらいいの…?)
キュリオの並みならぬ想いに押しつぶされてしまいそうなアオイは、彼の肩口に顔を埋めたまま瞳を閉じた―――。
慌てて体の下から逃れようとするアオイを冷やかな瞳で見つめているキュリオ。
「お前は何もわかっていない…」
ボソリとつぶやかれた声はアオイに届いていない。尚も父親の眼下から逃れようと身じろぎしているその腕をキュリオが掴んだ。
「…お父様っ…!?きゃっ…」
「…私は…お前の姿を人の目に晒すことさえ許せないっ!!」
ギリギリと力を込めて握られた腕を強くひかれ、滅多な事で大声をあげないキュリオにただただ驚くアオイ。
「アオイ…ッ」
「…っ…」
そしてキュリオの大きな腕が背にまわり、きつく抱きしめられ息が詰まる。
しかし…
(…お父様震えてる……)
いつも冷静なキュリオがこれほど取り乱すなど彼の心がどれほど思い詰めていたかがわかってしまった。
(でも…一体どうしたらいいの…?)
キュリオの並みならぬ想いに押しつぶされてしまいそうなアオイは、彼の肩口に顔を埋めたまま瞳を閉じた―――。