狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
頑丈に出来ている体
"大和撫子"が引き返してほどなくすると…
「あんた!まだこんなところにいたのかい!?」
彼女の姿をいち早く見つけたふくよかな中年の女が驚いたように駆け寄ってきた。そしてすぐ後ろには彼女の息子の姿もある。
「どっかの凄腕の剣士が退路を作ってくれたおかげでこのあたりの住人は皆無事さ!!あんたも早く川に向かって走りな!!」
ぐいぐいと袖を引かれた"大和撫子"だが…
「…まだやる事がある。どうか無事で」
やんわりと彼女の手をほどいた"大和撫子"。一歩下がり一礼すると燃えの激しい場所を選んで踏み出した。
「えっ!!なにやってんだい!?そっちは…っ!!!」
女が仰天するのも無理はない。
通常の人間ならば死ににいくようなものだからだ。
しかし彼女は違う。
「…問題ない…この体は頑丈に出来ている」
肩越しに女を振り返った"大和撫子"は先を急ぐように燃え盛る炎へと飛び込んでいったのだった―――。
「あんた!まだこんなところにいたのかい!?」
彼女の姿をいち早く見つけたふくよかな中年の女が驚いたように駆け寄ってきた。そしてすぐ後ろには彼女の息子の姿もある。
「どっかの凄腕の剣士が退路を作ってくれたおかげでこのあたりの住人は皆無事さ!!あんたも早く川に向かって走りな!!」
ぐいぐいと袖を引かれた"大和撫子"だが…
「…まだやる事がある。どうか無事で」
やんわりと彼女の手をほどいた"大和撫子"。一歩下がり一礼すると燃えの激しい場所を選んで踏み出した。
「えっ!!なにやってんだい!?そっちは…っ!!!」
女が仰天するのも無理はない。
通常の人間ならば死ににいくようなものだからだ。
しかし彼女は違う。
「…問題ない…この体は頑丈に出来ている」
肩越しに女を振り返った"大和撫子"は先を急ぐように燃え盛る炎へと飛び込んでいったのだった―――。