狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
力在る者Ⅰ
「…力を持たぬ者がでしゃばるとどうなるか教わらなかったようだな」
背筋を這う皮肉交じりの警告が痛いほどアオイの胸に突き刺さる。
「わかっています…でもこんな時だからこそ…っ…!!」
感情的になったアオイが思わず背後を振り向こうとすると…
それより早く動いた"大和撫子"が抜き身の刀を手に男の前へと立ちはだかる。
「へぇ…こりゃまた偉い美人が出てきたなぁ」
「素人がそんな物騒なもん振り回してちゃ怪我するぜ?こっちに寄こしなっ!!」
仲間が倒れているにも関わらず、一切気にかけない男たちの様子を見る限り…
「ただの寄せ集めか…」
鬱陶しそうにボソリと呟いた"大和撫子"が刀についた血を振り払った。
―――ピチャッ
「…っ…」
すぐそこまで迫る炎の灯りで目の前に出来た赤黒い水たまりがなんであるかアオイにもわかってしまった。
そしてこの平和な悠久で血を見ることは滅多になく、キュリオの腕の中で育ったアオイには足が震えるほどに恐ろしい光景だった。
背筋を這う皮肉交じりの警告が痛いほどアオイの胸に突き刺さる。
「わかっています…でもこんな時だからこそ…っ…!!」
感情的になったアオイが思わず背後を振り向こうとすると…
それより早く動いた"大和撫子"が抜き身の刀を手に男の前へと立ちはだかる。
「へぇ…こりゃまた偉い美人が出てきたなぁ」
「素人がそんな物騒なもん振り回してちゃ怪我するぜ?こっちに寄こしなっ!!」
仲間が倒れているにも関わらず、一切気にかけない男たちの様子を見る限り…
「ただの寄せ集めか…」
鬱陶しそうにボソリと呟いた"大和撫子"が刀についた血を振り払った。
―――ピチャッ
「…っ…」
すぐそこまで迫る炎の灯りで目の前に出来た赤黒い水たまりがなんであるかアオイにもわかってしまった。
そしてこの平和な悠久で血を見ることは滅多になく、キュリオの腕の中で育ったアオイには足が震えるほどに恐ろしい光景だった。