狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
力在る者Ⅱ
「可哀想になぁ!そっちのお嬢ちゃんは怖くて震えが止まらねぇみたいだぜ!!」
「まぁ足が竦んで動けねぇんなら好都合だ。…さっさと女捕まえてずらかるぞ」
「…その綺麗な顔に傷つけられたくなきゃ大人しくしてろよ?」
リーダー格の男が一歩下がると、一斉に刀を構えた男たち。そして今度は両脇から大きな麻袋を手にした男がふたり前に出た。
(どうしよう…っ…私のせいで大和撫子さんまで!!)
「大和撫子さん!逃げてくださいっ!!」
震える足に叱咤しながらアオイは懸命に彼女の腕を掴み引き寄せた。
「お父様がきっと見つけて下さいますっ!!だから…っ…」
涙を浮かべ懇願するアオイに大和撫子の冷たい瞳が降りかかる。
「"お父様"よりよほど使える男がもうすぐお前を迎えにくる」
「え…?」
やがて…軽やかな足音の中にわずかな焦りを滲ませた声が響き…
「大和っ!!早く民を避難させてください!!」
(大和って…?)
突如聞こえてきた聞き慣れぬ名前にアオイは"大和撫子"から目を離し、後方を振り返った。
「…っ!?…ッアオイ…さ…」
そこには息を弾ませ…目を大きく見開いた美しい青年が立っていたのだった―――。
「まぁ足が竦んで動けねぇんなら好都合だ。…さっさと女捕まえてずらかるぞ」
「…その綺麗な顔に傷つけられたくなきゃ大人しくしてろよ?」
リーダー格の男が一歩下がると、一斉に刀を構えた男たち。そして今度は両脇から大きな麻袋を手にした男がふたり前に出た。
(どうしよう…っ…私のせいで大和撫子さんまで!!)
「大和撫子さん!逃げてくださいっ!!」
震える足に叱咤しながらアオイは懸命に彼女の腕を掴み引き寄せた。
「お父様がきっと見つけて下さいますっ!!だから…っ…」
涙を浮かべ懇願するアオイに大和撫子の冷たい瞳が降りかかる。
「"お父様"よりよほど使える男がもうすぐお前を迎えにくる」
「え…?」
やがて…軽やかな足音の中にわずかな焦りを滲ませた声が響き…
「大和っ!!早く民を避難させてください!!」
(大和って…?)
突如聞こえてきた聞き慣れぬ名前にアオイは"大和撫子"から目を離し、後方を振り返った。
「…っ!?…ッアオイ…さ…」
そこには息を弾ませ…目を大きく見開いた美しい青年が立っていたのだった―――。