狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
最良の選択Ⅱ
「…っ!!何の用だじゃねぇだろ!?仙水の傷口に塩を塗るようなやり方やめろって言ってんだよ!!」
小さな少年が捲し立てるように吐き捨てた。アオイの存在に振り回される仙水を心配していた彼だが、あまりにも非情な大和のやり方に怒りが収まらないらしいことは明らかだった。
「後ろ盾がなければその記憶を留めておくことさえも不可能な娘に…お前も仙水も何を期待している?」
「…っそんなんじゃねぇよっ!!仙水に涙まで流させる必要まであったのかって俺は言ってんだっ!!」
「…くだらないな。
なら…手を取り合って別れを告げられればそれで幸せか?仙水の心を動かしたあの娘がいつか…あいつの名を叫んだらやつはどうなる?」
「そ、それは…っ…」
(俺たちの制止する言葉さえも仙水にとっては雑音だった…。ただ邪魔するやつらがいるだけじゃ仙水は止められねぇ…)
「……」
ぐっと拳を握りしめた蒼牙は大和の言葉に反撃できず口を噤んでしまった。
「わかったらこの話はもう引きずるな。エデン殿を呼ぶ必要もない」
そう言い捨てた大和はあっという間に蒼牙の視界から消えてしまったのだった―――。
小さな少年が捲し立てるように吐き捨てた。アオイの存在に振り回される仙水を心配していた彼だが、あまりにも非情な大和のやり方に怒りが収まらないらしいことは明らかだった。
「後ろ盾がなければその記憶を留めておくことさえも不可能な娘に…お前も仙水も何を期待している?」
「…っそんなんじゃねぇよっ!!仙水に涙まで流させる必要まであったのかって俺は言ってんだっ!!」
「…くだらないな。
なら…手を取り合って別れを告げられればそれで幸せか?仙水の心を動かしたあの娘がいつか…あいつの名を叫んだらやつはどうなる?」
「そ、それは…っ…」
(俺たちの制止する言葉さえも仙水にとっては雑音だった…。ただ邪魔するやつらがいるだけじゃ仙水は止められねぇ…)
「……」
ぐっと拳を握りしめた蒼牙は大和の言葉に反撃できず口を噤んでしまった。
「わかったらこの話はもう引きずるな。エデン殿を呼ぶ必要もない」
そう言い捨てた大和はあっという間に蒼牙の視界から消えてしまったのだった―――。