狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
二つの人格Ⅰ
白い冷気が足元に渦巻いている…とある一室に男の姿がある。
彼は妖しく光を湛えた大鎌の柄を手にしたまま窓辺の淵に腰かけていた。
まだ彼は眠りの中にいるのだろうか?
微動だにしないその美しい顔に色はなく、まるで生気を失った屍にも見える。
―――コンコン
無音の空間に響いた扉を叩く音と共に聞き慣れた声が届く。
『失礼いたしますマダラ様』
「……」
―――ガチャ
彼の従者らしき男は王の返事を待たず入室してきた。
美しく磨かれた銀のトレイに温かな湯気のたつ食事を載せ、窓際に座るマダラの姿を確認した彼は部屋の中央にある大理石のテーブルへ食事を並べていく。
「お食事の準備が整いました。では私はこれで…」
深く一礼した男が顔を上げると…
「…水浴びが先だ」
彼は妖しく光を湛えた大鎌の柄を手にしたまま窓辺の淵に腰かけていた。
まだ彼は眠りの中にいるのだろうか?
微動だにしないその美しい顔に色はなく、まるで生気を失った屍にも見える。
―――コンコン
無音の空間に響いた扉を叩く音と共に聞き慣れた声が届く。
『失礼いたしますマダラ様』
「……」
―――ガチャ
彼の従者らしき男は王の返事を待たず入室してきた。
美しく磨かれた銀のトレイに温かな湯気のたつ食事を載せ、窓際に座るマダラの姿を確認した彼は部屋の中央にある大理石のテーブルへ食事を並べていく。
「お食事の準備が整いました。では私はこれで…」
深く一礼した男が顔を上げると…
「…水浴びが先だ」