狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
Ⅷ―ⅷ 守る者と守られる者
「アレス、君は本当に自慢の後輩だよ」
「い、いえ…そんな」
テトラたちからのあたたかい言葉に頬を染めたアレス。さらにガーラントは周りへと視線をうつし言葉を発した。
「この先が楽しみなのはお主らも同じよのぉ、なぁブラスト?」
彼の言葉にブラストは大きく頷き、カイの背中をバシバシ叩いた。
「ですなぁ!しかしまずは…カイ!この世での存在意義を見いだせ!お前にしか出来ない事があるはずだからな!!」
叩かれたカイは転びそうになりながら両足で踏ん張っている。
「あのなぁっ!!俺にしか出来ない事っつっても王様を守るのが剣士の役目だろ!?ほかに何があんだよ!!」
ガハハと笑うブラストは腰に手をあて、偉そうに胸を張った。
「そうだっ!キュリオ様を守るのが我々の役目だ!!だがな、キュリオ様の愛するこの国と民を守るのも同じくらい大切なんだ!」
すると頭をガシガシとかいたカイが舌打ちしながらブラストを見上げる。
「わぁってるよ!そんなの聞き飽きたっつーの!!」
「…ほぉ?」
さらに何か言おうとしたブラストを制してガーラントが前にでる。