狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
珍しくもない訪問者Ⅰ
(いずれ時が来ればジョーカー自ら姿を現す…)
「…今はまだその時ではないということか」
皮肉にも正体不明な人物の手の上で転がされる気がしてならないマダラは自嘲の笑みを浮かべた。
立ち上がったマダラは冷水が滴る髪を後ろに流すと適当なバスローブを羽織り部屋へと続く扉を開く。
やがて腰のあたりで結ばれたローブの紐を持つマダラの手が止まって…
「……」
驚いたような動作を見せたマダラだが、その顔は相変わらず無表情のままだった。
そして彼の視線の先にいたのは…
「お前まだ水風呂入ってんのか?ただでさえクソ寒いってのにほんとよくやるぜっ!」
マダラにと用意された食事をつまみ食いしながらヴァンパイアの王・ティーダが彼の椅子で仰(の)け反りながら笑っていた。
「…申し訳ございませんマダラ様、ただいま新しい食事を…」
と、ティーダへ熱い茶を注ぎながら先程の男が頭を下げる。
「必要ない」
「し、しかしっ!」
慌てる従者に短く答えたマダラはさほど気にした様子もなくティーダの傍へと歩みを進めた。
「ティーダ」
「あ?」
本来、五大国・第五位のティーダが第三位の彼へこのような口をきくのは非礼極まりなく、しかしそれを咎めないマダラもティーダに関してはいくらか寛大なのかもしれない。
だが…
「私の椅子に座ると冷え性になるぞ」
「…今はまだその時ではないということか」
皮肉にも正体不明な人物の手の上で転がされる気がしてならないマダラは自嘲の笑みを浮かべた。
立ち上がったマダラは冷水が滴る髪を後ろに流すと適当なバスローブを羽織り部屋へと続く扉を開く。
やがて腰のあたりで結ばれたローブの紐を持つマダラの手が止まって…
「……」
驚いたような動作を見せたマダラだが、その顔は相変わらず無表情のままだった。
そして彼の視線の先にいたのは…
「お前まだ水風呂入ってんのか?ただでさえクソ寒いってのにほんとよくやるぜっ!」
マダラにと用意された食事をつまみ食いしながらヴァンパイアの王・ティーダが彼の椅子で仰(の)け反りながら笑っていた。
「…申し訳ございませんマダラ様、ただいま新しい食事を…」
と、ティーダへ熱い茶を注ぎながら先程の男が頭を下げる。
「必要ない」
「し、しかしっ!」
慌てる従者に短く答えたマダラはさほど気にした様子もなくティーダの傍へと歩みを進めた。
「ティーダ」
「あ?」
本来、五大国・第五位のティーダが第三位の彼へこのような口をきくのは非礼極まりなく、しかしそれを咎めないマダラもティーダに関してはいくらか寛大なのかもしれない。
だが…
「私の椅子に座ると冷え性になるぞ」