狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
冥王の力
「ほんっと馬鹿だよね君…」
「…なんだよ」
急に口調の変わったマダラにティーダが笑うのをやめた。
「キュリオ殿に君が勝てるわけないじゃん~!第一キュリオ殿に何かあったら精霊王が黙ってないよねー!」
「…(人格が戻りやがったか)…」
「それにエクシス殿が千年王になったおかげで大忙しだし?僕たちは構ってあげられないよ~!」
「あん?なんでお前らが関係あんだよ」
ティーダが首をひねるのも無理はない。直接的に彼らが関わることはほとんどなく、精霊王であるエクシスは唯一交流のあるキュリオでさえ滅多に顔を合わせていないからだ。
「これだから君は馬鹿だって言われるんだよ…」
「うるせー!お前から言われてるだけだろうがっっ!」
「…千年王の精霊王の力がなんだか知らないの?」
「それなら知ってるぜ、過去や未来を夢から現実に引き出すっていうやつだろ…?」
「あーよかった。君が大馬鹿じゃなくて。詳しく言えば過去とか未来とかそんな括りも飛び越えてるみたいだけどね~」
奇妙に笑い声を上げたマダラだが、その瞳がまったく笑っていない。
「そうそう~僕たちはねー悪夢の"悪"が表に出てこないように色々な夢を回って歩いてるのさ~」