狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
蕾の見る夢Ⅰ
「キュリオ様おはようございます」
「…あぁ、おはよう」
いつも隙がなく、どの角度からも完璧なキュリオだが…今朝はどこか気だるげな声を発したまま振り返ることなく窓の外を見つめていた。
「…朝早くに申し訳ございません。ひとつご報告がございまして……改めたほうがよろしいでしょうか?」
年若い家臣の男が緊張しながら王の都合を伺うように進言すると、キュリオの腕の中から可愛らしい幼子がひょっこりと顔を覗かせた。
「……」
互いに目が合うと人好きする笑顔を見せた愛らしい姫君にほっと胸を撫で下ろす男。
「…姫様…」
こうしてキュリオの威圧感を自然と和ませているアオイの役目はとても大きく、キュリオを恐れる者ほどその効果は絶大だった。
「君か…すまないね。どうも雨の日は気が乗らないんだ」
胸元で小さく声を上げる幼子の背を優しく撫でながらキュリオが振り返る。
「で、何の話だったかな?」
朝食前のこの時間に急を要する話が舞い込むのはとても珍しい。
もちろんそれを跳ねのけるほどキュリオは身勝手な王ではないので、本来ならば気を負う必要はないのかもしれない。
しかし…プライベートな時間が大いに許されているように見えるキュリオだが、王としての責務に休みはないため申し訳なく思う家臣の気持ちもわからないでもない。
「…あぁ、おはよう」
いつも隙がなく、どの角度からも完璧なキュリオだが…今朝はどこか気だるげな声を発したまま振り返ることなく窓の外を見つめていた。
「…朝早くに申し訳ございません。ひとつご報告がございまして……改めたほうがよろしいでしょうか?」
年若い家臣の男が緊張しながら王の都合を伺うように進言すると、キュリオの腕の中から可愛らしい幼子がひょっこりと顔を覗かせた。
「……」
互いに目が合うと人好きする笑顔を見せた愛らしい姫君にほっと胸を撫で下ろす男。
「…姫様…」
こうしてキュリオの威圧感を自然と和ませているアオイの役目はとても大きく、キュリオを恐れる者ほどその効果は絶大だった。
「君か…すまないね。どうも雨の日は気が乗らないんだ」
胸元で小さく声を上げる幼子の背を優しく撫でながらキュリオが振り返る。
「で、何の話だったかな?」
朝食前のこの時間に急を要する話が舞い込むのはとても珍しい。
もちろんそれを跳ねのけるほどキュリオは身勝手な王ではないので、本来ならば気を負う必要はないのかもしれない。
しかし…プライベートな時間が大いに許されているように見えるキュリオだが、王としての責務に休みはないため申し訳なく思う家臣の気持ちもわからないでもない。