気まぐれ男子とクール女子
凛とした表情。
一瞬、息ができなくなってしまっていた。

「……ロボット……」 誰がそんなあだ名をつけたのだろうか?
あれをロボットと思うなら、相当頭がイカれているのだろう。

「おう、ロボットって言われてるぞ。どうだ、落としがいあるだろ…?」

そんな遼斗の言葉さえも、右耳から左耳に通り過ぎていく。

俺は時間が止まっているかのように、遅く感じてしまっていた。



「……ぃ……ぉ……ぃ……ぉ……い……おい!おい、大輔!聞いてんのか!」


その言葉にハッと遼斗の方をむく。

「おーい…お前、聞いてなかったのかよ……ったく、俺と椎名は同じクラスだ」

……what?

「知ってること言わなくてもいいぞ?」

それで……と続く遼斗はそこからもごもごとしっかり話さなかった。

「なんだよ、しっかり話せよ」


イライラした俺はそう言い、肘を付く。

「だ、だから!えっと……俺のことも手伝ってほしいなって……」

だんだん小さくなる声にまたも疑問を感じる。


「まさか、好きな人、とかそういう類じゃあないよな?まさか遼斗にそんこさなことあるわけ………え、ず、図星か…!?」


表情がみるみるうちに赤くなっているところを見ると、図星というのは一目瞭然だった。
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