薫子様、一大事でございます!
「……うーん」
唸り声を上げながら、北見さんが勢いをつけて起き上がる。
「なんでだろうな」
ガシガシと髪の毛を掻き回した。
「ただ……」
髪に手を当てたまま、私を見据える。
ついさっきまで身体に感じた北見さんの体温を思い出して、意味もなく顔が熱くなる。
「……ただ?」
「なんとなくだ」
「何ですかそれ」
「俺も知らん。ほら、カコちゃんって、なんか変なヤツだから」
「それはひどいと思いませんか?」