薫子様、一大事でございます!

滝山の一大事をいつもの癖で適当に聞き流そうとして、急に思いとどまった。


「はい!」


大きく頷いて、私からヘルメットを取り上げると素早くデスクへと置き、滝山が私の両手を取った。

ぶんぶんと上下に振って、喜びを表す。


滝山が喜ぶのも無理はない。
モモ以来、1ヶ月ぶりのことなのだから。


「あちらでお待ちです」


滝山の視線につられて目を向けると、こちらに背を向けた状態で女性が一人ソファに座っていた。


「早速、俺の作ったホームページ効果が現れたか」


北見さんが誇らしげにボソっと呟く。


インターネットの効果がこんなにも即効性があるなんて。

北見さんのおかげだ。

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