薫子様、一大事でございます!
恐竜時代から唯一生き延びている生物と呼ばれている?
氷河期さえ生き抜いたという、あれ?
「何、薫子ちゃん、あんたまさか初めてだったのかい?」
コクリと頷く。
「へぇ、そんな人がいるとは驚きだよ」
つぶらな瞳を大きく見開く。
「やだ、どうしよう、芙美さん」
「なんだい?」
「滝山が処分するって持って行ってしまったの」
「え? いいじゃないか、それで。薫子ちゃん、自分であれを処分できないだろう?」
「だって、希少価値の高い生き物なのに」
処分に同意するだなんて、私ってばどうかしていたわ。