薫子様、一大事でございます!
星野さんとのことをどう考えているのか。
これからどうするつもりなのか。
ウエイターが運んできた紅茶と入れ違いに席を立つ。
「――おい、どこ行くんだよ」
北見さんが咄嗟に私の腕を掴む。
「井上さんのところです」
「は!? 何考えてるんだよ」
周囲に気を使って、北見さんがあくまでも小声で言う。
「本当に浮気なのかを直接聞きたいんです」
私の言葉に、大きな溜息を漏らした。
「ちょっと来い」と、私の腕をむんずと引っ張る。
「え? 北見さん?」