薫子様、一大事でございます!

滝山に諭されて、素直に部屋へと戻った。

間もなくして戻った北見さんに、私たちは待ってましたと報告を聞く体勢に入る。


「それで、どうだったんですか?」


滝山と二人、ソファで身を乗り出す。


北見さんは口元だけに笑みを浮かべると、濡れた髪の毛をタオルで拭きながら、ソファではなくパソコンの前へと座ったのだった。



……どういう意味?


浮気の証拠を掴んだの?


それとも……?



滝山と顔を見合わせた。


パソコンに向かう北見さんの後ろに立って、画面を眺める。

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