薫子様、一大事でございます!
緊張の中間報告
依頼人の星野さんが事務所を訪れたのは、翌日の夕方のことだった。
夕べの電話は、調査の行方が気になった星野さんが、こちらからの連絡を待ちきれずに掛けてきたのだ。
私と電話を代わった北見さんは、途中経過でもいいから話を聞きたいという星野さんを、悩んだ末にここへ呼んだのだった。
北見さんと私の前に、星野さんが不安いっぱいの顔で腰を下ろす。
「あの……どうだったんでしょうか」
「星野さん、お話の前に確認したいことがあります」
「……なんでしょうか」
「どんな結果になろうと井上さんとは別れないと、この前おっしゃっていましたが、その気持ちは今も同じですか?」
私が訊ねると、星野さんの瞳がゆらゆらと揺れた。
私を力なく見つめる。