薫子様、一大事でございます!

「二人でホテルへ入っていく姿などの決定的な確証は得られていません」

「これだけ親密そうにしていれば、ほぼ決まりですよ」

「星野さんの浮気の定義は何ですか? 二人で食事をした時点で浮気ですか?」


星野さんが面食らう。


「……いえ、そこまで厳しくは考えていませんが」


瞬きを激しく繰り返した。


「それなら、やはりこの調査書は途中経過です。1週間後にもう一度ここへ来ていただいてもよろしいですか?」

「一週間後、ですか?」


どうして? という色を滲ませて、星野さんが私たちを見つめる。


北見さんも私も、星野さんの返事をじっと待った。


「……分かりました」

< 194 / 531 >

この作品をシェア

pagetop