薫子様、一大事でございます!
調査書を持った星野さんを見送ると、滝山が「おつかれさまでした」と新しい麦茶を出してくれた。
「どうせならビールでも飲みたいところだな」
「ややっ、北見さん、それはまだ早いかと存じますぞ。っと、既にお顔が赤いですが……?」
滝山に言われて北見さんを見ると、確かに頬が赤く染まっていた。
「……もしかして、北見さん、」
「何だ」
「星野さんがタイプの女性だったりするんですか?」
私の言葉に、どっと疲れた表情を浮かべる。
ついでに大きな溜息まで吐いた。
「カコちゃんの表情から、なんか嫌な予感はしたけどね」
「……違うんですか?」
「あのねぇ……」