薫子様、一大事でございます!
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いつの間にか北見さんのベッドに突っ伏して、私まで眠っていたらしい。
北見さんの私を呼ぶかすれた声で気がついた。
「――す、すみません」
身体を慌てて起こす。
「普通、寝ないだろ」
「……ですよね」
クスクスと北見さんが笑う。
「ま、カコちゃんに普通は求めないけどね」
「私って、そんなに変わってるんですか……」
北見さんには、いつも“普通じゃない”って言われるけれど、そんなに変なのかな。
あんまり何度も言われると、心配になってくる。
世間を知らない割合は確かに多いけれど……。