薫子様、一大事でございます!
意地悪なことだって言いたくなるというもの。
でも、これもやっぱり普通じゃないのかしら。
「病人には優しくしてくれ」
「病人なら病人らしく、もっとしおらしくしてください」
「はいはい、分かりましたよ」
「本当に分かってますか?」
そんな適当な返事なんてして。
「分かってるって。それより早くそれを……」
恨めしそうに眺めるトレーを引き寄せた。
ラップを取ってレンゲを持ち、時間が経って少し固まっている雑炊をかき混ぜる。
「……何をやってるんだ?」
「何って、食べさせてあげるんですよ?」
「――いいって!」
ムクッと起き上がり、眉間にシワを寄せてまで断固拒否をする。