薫子様、一大事でございます!
「……まぁ、そんなこともたまにはあるということだ」
「でも、星野さんに中間報告で、女性の存在を教えたのはどうしてですか?」
そんなことをしたら、別れてしまう可能性だってあったかもしれない。
「だから、別れるつもりかどうか確認したんだ」
「それなら、中間報告なんてしないで、あのまま今日を迎えればよかったじゃないですか」
ちょっとした意地悪だと思えて仕方ない。
「そんなことをしたら、“疑いが晴れたので、これ以上の調査は必要ありません”って言われるのがオチだろう?」
「はい」
それでいいと思うんだけれど……。
「途中で調査をやめれば、それだけ報酬は少なくなる」