薫子様、一大事でございます!

「……カコちゃん、それ、何かのバケモノか?」


描きかけの絵に横槍を入れる北見さん。


「豚です! 豚!」


拳を握って力説してみるけれど、そう言われてみると、バケモノに見えなくは……ない。


「北見さんだって、その尻尾おかしいですよ?」


ふさふさの毛むくじゃら。
それじゃまるで……。


「犬の尻尾じゃないですか」


豚は確か、短くて細いはず。
もちろん、毛なんて一本もなくて。


「ちょっとしたオマケだ」

「なんですかそれ」


クスっと笑うと、北見さんはまたもやムキになって新たなお題を出すのだった。

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