薫子様、一大事でございます!
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たくさん描き上げた絵を立って眺める。
芸術的センスが全く感じられない絵の数々。
それは、逆に壮観だった。
「どんぐりの背くらべってやつだな」
「ほんとですね」
どっちが上手いかなんて、争えるレベルにすら達していない。
私たちは顔を見合わせて笑った。
そういえば……。
夢中になってお絵かきなんてしていたけれど、芙美さんと滝山はどこへ行ったのかしら。
家の方を見てみても、いるような気配がしない。
……どうしたのかな。