薫子様、一大事でございます!
星野さんの件以降入った依頼といえば、ペットの捜索が2件のみ。
北見さんがいたおかげで、その2件も無事に解決できたけれど、そろそろ私だって探偵事務所の代表としての実績が積みたい。
この案件は、滝山でも北見さんでもない、私にしか出来ないことなのだから。
「私にだって、そのくらいのことできます」
大見得を張ってしまった。
「……本気なのか?」
北見さんが確認するように、ひと言ずつゆっくりと私に訊ねる。
ここで覆すわけにはいかない。
「はい」
大きい声で頷く。