薫子様、一大事でございます!
彼女らしく振る舞えるようにと言ったって……。
一体何をどうすればいいのか分からなくて、手持ち無沙汰に紅茶をスプーンでくるくるかき混ぜるばかりの私。
「薫子、」
突然名前を、しかも呼び捨てで呼ばれて、ビクンとしてしまった。
「他にも詳細を決めておく必要があるよね」
「……そうですね」
「薫子の職業だけど、さすがに探偵ってのはまずいから、僕と同じ会社に勤めていることにしよう」
はい、と頷く。
「僕の後輩ということで。付き合って、そうだなぁ……半年くらいにしておこうか」
……半年。
それはどうなんだろう。