薫子様、一大事でございます!
「あの……もう少し短い交際期間の方がいいんじゃないかと思うんですが」
そうすれば、多少のぎこちなさは、日が浅いからということで誤魔化せる気がする。
早川さんも私の考えていることが読めたのか「それもそうだね」と納得してくれた。
「それじゃ、2,3ヶ月ってとこにしておこう」
「そうですね。それがいいと思います」
「その敬語もやめた方がいいと思うんだよね」
「あっ……ですよね」
「“ですよね”じゃなく?」
「……“だよね”?」
首を傾げながら、答え合わせをする。
早川さんは、「そうそう」と軽く微笑んだ。
「ちょっと“慎吾くん”って呼んでみようか」
「え?」
「慣れておかないと変に思われるよ?」